コインにはコレクターを狙った贋物が数多く存在している。粗雑なものから精巧なものまで、そのレベルは多様である。以下、贋物が多い日本近代銭の贋物の例を挙げていく。これらのコインは素材価値より高額で取引される人気銘柄であることから、かつてから贋物が絶えない。
貿易銀
白銅製の贋物で、重量も基準値の27.22gに至らず、彫刻も粗雑。比較的見抜きやすい贋物である。貿易銀という名の通り真正品は銀製で品位は.900で造られている。
旧1円銀貨
白銅製の贋物で、重量も基準値の26.96gに至らず、彫刻も粗雑。比較的見抜きやすい贋物である。真正品は銀製で品位は.900で造られている。
新1円銀貨
銀製の精巧な贋物。品位・重量・直径が真正品と同一の規格で造られており、彫刻の再現度も高く見抜くのが難しい。だが、仕上げの甘さが目立ち、彫刻の各所に違和感もあって、贋物と見抜くことができる。
旧10円金貨
全体的に打ちが弱く、至るところがシャープさに欠ける。特に竜図の鱗部分が繊細さに乏しい。品位・重量は真正品に合わせられているため、注意が必要。
新20円金貨
フィールドの仕上げが荒く、葉脈表現の稚拙さから贋物と判断できる。品位・重量は真正品と同一で、彫刻も比較的精巧に造られた厄介な贋物。
天保小判金
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0562/6114/8754/files/1_f2dda2fa-d933-4729-9393-a91acaaa3ec6_480x480.jpg?v=1736497099)
実は贋物コインは、コインの誕生と同時に存在している。コインは古代リディア王国で誕生したが、リディアの贋物コインが存在し、これらは卑金属にメッキを施した贋物で、不正取引に使用された。贋物コインとの闘いは、古代から今も尚続いている。