

古代ギリシア ピシディア地方セルゲ トリへミオボル銀貨 前4世紀 メドゥーサ&アテナ
古代ギリシア時代、前4世紀に発行されたトリへミオボル銀貨。2,000年以上前に造られた人類の初期の貨幣である。発行都市は現在のトルコに位置したピシディア地方のセルゲで、メドゥーサ(別名ゴルゴン)の頭部とアテナ女神の肖像を描いている。
メドゥーサはギリシア神話に登場する怪物で、目が合った者を石化させる上、不死身であることから恐れられた。だが、アテナの助力を得た英雄ペルセウスによって討伐される。不死身のため、完全討伐は不可能ゆえ、ペルセウスは盾に討ち取ったメドゥーサの首をはめ、敵を石化させる最強の盾を造りだした。
メドゥーサはその強大な力から恐れられたが、それが転じてお守りのデザインに好まれるようになった。古代ギリシア人は盾にメドゥーサの頭部を描き、相手を威嚇すると共に彼女の加護を期待した。また、コインのデザインとしても好まれ、メドゥーサを描いた古代ギリシアコインは複数の都市で数多く展開されている。
アテナは古代ギリシアで雷神ゼウスに次いで人気のあった女神で、戦争と知恵を司る女神だった。ゼウスと知恵の女神メティスとの間に生まれた彼女は、全身武装した姿で生まれた。様々なギリシアの都市国家(ポリス)がアテナを崇拝していたが、最も著名な都市は彼女の名を冠したアテナイ(現アテネ)だろう。
こうした小額面の貨幣は当時頻繁に利用されたため、実は現存数が少ない。すり減ってしまってなくなったり、溶かされて別の貨幣に造り変えられてしまうからである。そのため、意外にも入手が困難で古代コイン収集の壁となる。2,000年の時を経ても尚、現在に残る古代ギリシアの息吹をぜひその手の平で感じてみてほしい。
品番: CZUAA086
材質: Sv960
重量: 0.6g
直径: 9.0mm
状態: VF
特記事項
流通の痕跡がはっきりと見られ、デザインや銘文に潰れが見られる状態。