

フランス 20フラン金貨 1810年 ナポレオン1世 パリ鋳
有冠のナポレオン1世肖像が描かれている。周囲にはフランス語で「NAPOLEON EMPEREUR.(ナポレオン 皇帝)」と打たれている。本作を手掛けた彫刻師はジャン=ピエール・ドロ(Jean-Pierre Droz)。彼はスイス生まれで、パリに出て貨幣彫刻師としての修行を積み、ナポレオン時代の貨幣を数多く手掛けたことで知られる。
年銘の左側に刻印された雄鶏はミントマスター(造幣管理者)のマークであり、雄鶏のマークはシャルル=ピエール・ド・レスピーヌ(Charles-Pierre de l'Espine)が発行の担当を請け負ったことを示している。
本作が発行された1810年にナポレオンはハプスブルク家の令嬢マリー=ルイーズと結婚する(前妻ジョゼフィーヌとは後継ぎ問題で離縁)。マリー=ルイーズはナポレオンが冷酷な人間と聞いていたことから結婚に全く乗り気でなかったが、次第にナポレオンの温和な面も知る。二人の間にはナポレオン2世という待望の男児が誕生したが、彼は21歳の若さで他界した。
また、1810年にフランスはオランダを直轄領として併合した。ナポレオンは弟のルイ・ボナパルトをオランダの君主に据え統治を図る。だが、ナポレオンとルイは途中から不仲となり、ナポレオンはルイの王位を最終的に剥奪した。ちなみに、ルイはナポレオンの前妻ジョゼフィーヌの娘オルタンスと結婚しており、ルイとオルタンスの間に生まれた男児がナポレオン3世にあたる。ルイとオルタンスは不仲で別居しており、ナポレオン3世は母と共にスイスで過ごした。そのため、母国語はドイツ語で、フランス語が当初は流暢に話せなかった。
誰もが知る世界の英雄ナポレオンを描いた一枚。悠久の歴史を感じさせる、ロマンに溢れたマスターピース。
品番: CZUBA743
材質: Au900
重量: 6.4g
直径: 21.0mm
状態: VF Details
特記事項
磨きの痕跡が見られる。









