ここでは、コイン業界で使用される主な専門用語を紹介していく。
NGC(エヌジーシー)
Numismatic Guaranty Companyの略称。ワールド・スタンダードのアメリカのコイン鑑定機関。古代コインを鑑定できるNGC Ancientsというサービスも持つ。
PCGS(ピーシージーエス)
Professional Coin Grading Serviceの略称。ワールド・スタンダードのアメリカのコイン鑑定機関。日本の古金銀の鑑定もカバーしている。
Detail(ディテール)
NGC及びPCGSの鑑定済コインのラベルに見られる用語。人為的なダメージにより、70段階のシェルドンスケールによる数字の格付けができないコインに対して使われる言葉。代表的なものとして、Cleaned(洗浄)、Hairline(浅く細長い線傷)、Scratch(深く短い線傷)、Edge Damage(縁の欠け)Edge Bump(縁のへこみ)などが挙げられる。
CAMEO(カメオ)
宝飾品のカメオのように彫刻の彫りが深く、立体感のある個体に与えられる評価。NGCは通常のCAMEOより、さらに立体的な個体に対してULTRA CAMEOという評価をつける。PCGSは同じ意味合いで、DEEP CAMEOという表現をする。
Redish Brown(レディッシュ・ブラウン)
発行当時の銅貨特有の赤茶色味を保持した状態につけられる評価。略称でRBと表記される。
Field(フィールド)
コインの表裏の面部分を指す。
Edge(エッジ)
コインの縁を指す。コインを扱う際は、このエッジを持つ。表裏のフィールドに指紋がつくと、それがコインへのダメージに繋がることがある。エッジには偽造防止のギザが入れられていたり、文字が記されている場合がある。
Mint Mark(ミントマーク)
どこの造幣局で発行されたかを示すマークを指す。文字やシンボルなどで表される。下記、一部の例を挙げる。
A:フランス・パリ
B:スイス・ベルン
D:ドイツ・ミュンヒェン
R:イタリア・ローマ
S:アメリカ・サンフランシスコ
Adjust Mark(アジャストマーク)
コインの重量を調整するためにフィールドに意図的につけられた引っ掻き傷を指す。造幣局内で行われたもので、HairlineやScratchとは異なる。主にフランスのブルボン朝時代のコインによく見られる。
Die(ダイ)
コインを製造する際の大元となる型を指す。
Restrike(リストライク)
かつて発行されたコインを再発行したものを指す。
Mintage(ミンテージ)
コインの発行数を指す。発行数が少ないほど稀少となるので、Mintageはコインにとって非常に重要である。
Proof(プルーフ)
鏡面仕上げが施された贈答用コインを指す。鏡面仕上げが施されているため、コインを覗き込んだ際に顔が映り込むのが特徴である。
通常貨
一般流通用のコインを指す。一方、プルーフ貨は贈答用の記念コインを指す。
古代コイン
主に古代ギリシア・ローマ時代に発行されたコインを指す。その他、ビザンツ、クシャン朝インドのコインも古代に分類される。
アンティークコイン
100年以上前に発行されたコインに対して主に使われる言葉。ただ、アンティークコインという呼び方は日本特有のもので、世界的には年代ものの古いコインは、クラシックコインと呼ぶ。
モダンコイン
一般的に第二次世界大戦後に発行されたコインに対して主に使われる。
品位
地金の含有割合を指す言葉。
Au(エーユー)
金の略称。品位を表すためにAu999、Au916、Au900などのように表記する。
Sv(エスヴイ)
銀の略称。品位を表すためにSv999、Sv925、Sv900などのように表記する。
Pt(ピーティー)
プラチナの略称。品位を示すためにPt999、Pt900、Pt850などのように表記する。
Pd(ピーディー)
パラジウムの略称。パラジウム製のコインはほとんどないが、一部の国家で発行されている。